• 戦う精子のお話

    ステイホームの埋草にしていただけたらなと思い、「リンガムマッサージ」(ペニスマサージ)という書籍を元に、みなさんと知識を共有したいとおもい、一連の投稿を続けてきました。 緊急事態宣言は解除されましたが、このまま続けてみたいと思います。

     

     

    私は子作りにも避妊にも縁のない人生をおくっているので子作りをする細胞としての精子についてあまり興味がなく、精子がおどろくような仕事をすることを、恥ずかしながらこの本では初めて知りました。
    「そんなことは常識。何を今更」と言われると顔を赤らめるしかないのですが、人体の神秘にあらためて驚かされたので紹介させていただきます。

    みなさんは、男性の精子たちが見知らぬ男性からの精子を殺すかブロックすることをご存知でしょうか。
    この説はRobin Bakerが彼の著書「War of the Sperm4」で発表したものだそうです。

    健康な男性の1回分の精液には最大6億個の精子があります。
    そのうち受精用は約0.25%だけで、残り99.75%は自分以外の男の精子を殺したりブロックするためのキラー精子とブロッカー精子であるというのです。

    背景には「この子は誰の子」問題があります。
    母親になる人は、自分の産んだ子は紛れもなく自分の子ですが、父親になる人には「この子は本当に俺の子なのか?」という疑惑が絶えずつきまといます。

    女性は排卵日に他の男と性交する可能性が高くなります。
    これは、最高の遺伝子と出会える可能性を高めるための生存欲望が原因ではないか、と学者はみています。

    一方、男性は自分の種を女性に植え付けたいと願います。
    そこで、キラー精子とブロック精子が仕事をするわけです。

    キラー精子は非常に強力な移動性を持っており、超高速で子宮頚部を貫通します。
    彼は後で侵入してきた男の精子を細胞毒で破壊することができます。

    ブロッカー精子は膣壁にへばりつき、子宮へのアクセスを妨害する丈夫な壁を形成します。

    そして、これまた興味深いことですが、自分の新しい精子がヴァギナに入ってきたときには、戦わずにあっさり自滅するのです。

    異なる男の精子がヴァギナに混在する場合には、それぞれのキラー、ブロッカー精子軍が数日間戦いを繰り広げ、最も健康な精子だけが受精ゾーンに進みます。

    女性は女性で、気に入らない精子たちは30分後に逆流させたり白血球で殺したりと、これまた激しいシステム
    を持っています。

    しかし、男性がヴァギナと女性自身に優しかったりすると、彼女は精子たちをヴァギナの「リラクゼーションルーム」に最大5日間滞在することを許し、卵子が熟したら、精子に受精の機会を与えます。

    すぐに受精できるのかとおもいきや、精子たちは女性の用意した複雑で毒が隠されている道筋をくぐり抜けさせられます。

    迷路で行ったり来たりさせられ、多くの精子たちは餓死に追いやられますが、それでも生き残った精子たちには更なる難関が用意されています。

    どうにかたどり着いた精子たちは、3重の殻に保護されている卵細胞になんとか入ろうとダンスをし、最も魅力的と判定された精子だけが中に通され、後は殺されます。

    後半は書いていて息苦しくなってきました。

    生まれただけで儲けものという名言がありますが、ほんまやなぁ、としみじみ思いました。

     

    参考文献

    リンガムマッサージ

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